会社の物語STORY

先代社長の情熱がすべての始まり
挑戦を重ねる中で技術を磨いていきました

三協金属が創業したのは、1977年(昭和52年)5月1日。創業から40年以上の月日が経ちましたが、創業時の精神はなんら変わることがありません。創業時の社長である小岩浩一(故人)は探究心、研究心、そしてどんなことにも挑戦してみようという気持ちの持ち主でした。立ち上げた当時は工業製品を中心に製造していたのですが、お客様から持ち込まれた遊具の部品などを少しずつ手掛けるようになりました。今まで作ったことのないものであっても、まずは引き受けて、どうやれば要望通りのものができるかを考える。好奇心旺盛な小岩社長は挑戦を続け、試行錯誤を続けているうちに技術が磨かれ、その技術が高く評価され、1993年(平成5年)頃からは盛岡の工房からの依頼で工芸品も作るようになりました。
岩手県においても鋳物を手掛ける会社は数多くあります。しかし当社のように、工芸品と工業製品の両方を手掛ける会社はほとんどありません。どんなことでも挑戦してみようという先代社長の挑戦から始まり、その精神は今働く職人たちにも受け継がれています。

難しい注文に応え、
満足いただけるものをお届けする
それが私たちの仕事

鋳造では、製品の表面を滑らかにするために鋳型の表面に用いる砂があり、これを「肌砂」と言います。肌砂にも細かいもの、荒いものなど、様々なものがあり、製造するものによって、使い分けています。製造する製品の特性を踏まえ、職人たちの長年の経験から適切な砂を選択できる。だからこそ、まったく性質の違う工業製品と工芸品を作ることができるのです。職人たちの確かな「目」は、当社の技術力の証です。鋳造の過程で、ものが燃える時にはどうしてもガスが発生します。そして、大きな工業製品と小さな工芸品では発声するガスの量も当然違います。ガスの量を調整するノウハウを経験の中で身につけ、ガスが原因となる不良品の発生率も極めて低い数値に抑えることができています。
工芸品のデザイナーの方から、形や薄さなど細かく注文されることがあります。ちゃんと作れるかという緊張感はもちろんありますが、試行錯誤を重ねて、要望通りのものが作れた時には言いようのない達成感があります。そして、この「できた」という気持ちが仕事のやりがいになっています。

常に新鮮な気持ちで
仕事と向き合う
信頼関係はそこから生まれます

一番長い得意先とは、もう40年以上のお付き合いをさせていただいています。なぜこれだけ長いお付き合いができているのか。その理由を考えれば、やはり「信頼関係」だと思うのです。
昔に比べて、今は作る品目が増えてきました。ここまで種類は多くなかった時代には、依頼されたものを粛々と作るという感じだったのですが、ここ数年で製品の種類が増えたので、図面をいただいた後に、試作を作らせていただき、寸法や材料などを全部チェックして、それを確認していただいた上で、実際の生産に入るようにしています。確認事項も増えましたが、最初にそういうこと怠ってしまうと「前は良かったのに今回のは…」と言うように信頼を失ってしまいかねません。お客様とのやりとりの中で、不明瞭な部分や理解できないことは事前に明らかにしていく。長いお付き合いのお客様に対しても、常に新鮮な気持ちで、全力で向き合う。この心構えを忘れず、これからもより深い信頼関係を築いていきたいと思っています。